定期保険のしくみについて、加入事例をまじえてみていきましょう。
30歳の男性が保険金1,000万円の定期保険に60歳まで加入する場合の保険内容を詳しくみてみましょう。
定期保険の加入例
(1)保障内容
30歳から60歳までの保険期間中に死亡した場合に1,000万円の保険金が支払われます。加入すれば、一月分の保険料しか払っていなくても1,000万円の保障があり、保険期間が終了すると1日しか経っていなくても保障はありません。
30歳で死亡(加入後) | 1,000万円支払われる |
---|---|
50歳で死亡 | 1,000万円支払われる |
61歳で死亡 | 保障されない |
(2)解約返戻金
この加入例の場合に、いくらの保険料を支払い、いくらの解約返戻金があるのかをみてみましょう。定期保険の解約返戻金は、保険期間の途中に少しありますが、最後は0円になります。
年齢 | 払込保険料累計額 | 解約返戻金額 | 返戻率(貯まる率) |
---|---|---|---|
31 | 50,040円 | 0円 | 0% |
35 | 250,200円 | 65,000円 | 26% |
40 | 500,400円 | 204,000円 | 41% |
45 | 750,600円 | 277,000円 | 37% |
50 | 1,000,800円 | 303,000円 | 30% |
55 | 1,251,000円 | 242,000円 | 19% |
60 | 1,501,200円 | 0円 | 0% |
定期保険の特徴
定期保険には以下のような特徴があります。
定期保険の特徴
定期保険の保険期間
(1)保険期間の設定
定期保険の保険期間の設定については、10年間、20年間という期間を定める年満了と60歳までとか65歳までとかの終了する年齢を定める歳満了があります。
(2)保険の更新
定期保険は保険期間が終了すると保障が終わってしまいます。しかし、保険期間終了時に引き続き同じ保障内容で更新できるタイプの保険があり、これを更新型といいます。これに対してあらかじめ保障が必要な年齢までの全期間を保険期間とするタイプの保険を全期型といいます。
定期保険は一定の期間、一定の保険金額が保障される保険で、縦軸を保険金額(保障額)、横軸を保険期間として図にすると四角形になります。しかし近年、三角形の定期保険が無駄の少ない保険として注目されています。
四角い保険(従来の定期保険)
これまで見てきたように、通常の定期保険は、保障額がずっと一定の四角い保険となります。
四角い定期保険
三角の定期保険
実は、残された家族が必要とする保障額は、一般的に時間(年数)の経過とともに小さくなっていきます。その点に着目して、加入当初は保険金額が大きく時間の経過とともに保険金額がだんだん小さくなっていくタイプの定期保険があります。この三角形の定期保険は、保険期間後期に無駄に大きくなりがちな保障を削っている分、保険料が安くなります。このタイプの保険としては、収入保障保険、逓減定期保険などがあり、昨今FPがよくお勧めしている保険です。
三角の定期保険
収入保障保険や逓減定期保険は、必要な保障を確保したうえで、保険料を安くできる画期的な保険です。
三角の定期保険についてもっとよくりしたい方はコチラ
定期保険は「保険期間が決まっている」ことと「同じ保障額なら他の保険より保険料が安い」ことが特徴です。したがって、定期保険をうまく活用するにはこの2点を活かすことがコツです。例えば、以下のように特定の期間に大きな保障が必要となるリスクに備えるために利用するのがよいでしょう。
既婚者で小さな子供がいる家庭の世帯主の方が、死亡した場合に備えて加入する保険として最適です。詳しい活用法は、ぜひFPにご相談ください。