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保険 見直し ノウハウ 定期付終身保険

定期付終身保険の見直しポイント

多くの日本人が入っている 売れているけど実は「?」な保険

こんな保険とは

上記図のこんな保険とは「定期保険特約付終身保険(以下、定期付終身保険)」です。定期付終身というとピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、日本の老舗生命保険会社のかつての主力商品で、「○○ライフ」とか「人生○○」などのようなペットネームいう愛称で販売されてきた保険商品です。

このような保険に入っている方は、見直しが必要かもしれません。

冒頭の保険にずっと加入し続けた場合、遺族の90%は200万円の保険金しか受け取れません。

この保険商品については、かつてマスコミからの風当たりが強かった時期がありました。あわせて、外資系生命保険会社の攻勢の強さへの対抗の必要性もあってか、今では後継の新商品に切り替わってきています。また、過去に販売した予定利率の高い商品を、予定利率の低い新商品に乗り換えさせるためにいっせいに切り替えられたという見方もあります。

ご注意ください

新商品とは「アカウント型」とか「自由設計型」と呼ばれる保険です。機能性の高い新しい保険というイメージですが、プロが見ると、内容はまさに「定期付終身保険」の課題を引きずった後継商品という印象です。

マスコミでの取り上げられ方

定期付終身保険については、かつて週刊誌・書籍・テレビ番組等のマスコミによく取り上げられた時期がありました。「定期付終身保険の悲劇!」などの扇情的な表現が使われていたこともあります。

このようなマスコミの特集記事で主張されていたのは、主に以下の3点でした。

1.当初の大きな保障額が、あるときから極端に小さくなる
主契約が終身保険だから、当初の保障額5,000万円がずっと続くと思っていたら、5,000万円は65歳で終了し、その後は保障額200万円になってしまったなどのケースが多い。
2.保険料がどんどん上がる
10〜15年ごとに保険料が1.5〜2倍に大きくアップしていく。
3.掛け捨て部分がとても大きい
保険料の総支払額が1,200〜1,500万円くらいで、老後に解約した場合の解約返戻金は100〜300万円程度という保険設計がほとんどである。

この主張を見てドキッとした方は、定期付終身保険を見直した方がよいでしょう。

定期付終身保険のしくみ

生命保険は、通常、主契約といわれる保険の土台となる部分と特約といわれるオプション(上乗せ)部分でできています。

定期付終身保険では、終身保険を主契約として、そこに定期保険・医療保険等の保険を特約として付加しています。

定期付終身保険の設計例

定期付終身保険の設計例

定期付終身保険は、上記図のように終身保険と定期保険を組み合わせた商品です。保障額のバランスをみると、終身保険部分が少なく定期保険部分が大きいため、「終身付定期保険」という印象さえします。

しかし、主契約はあくまでも終身保険です。したがって保険証券にも「終身保険」と記載されているため、5,000万円の死亡保障が一生続くものと誤解して加入している人が多いという実態があります。

定期付終身保険を見直した方がよいというのは、このように誤解して加入している人が多いからです。

定期付終身保険の保険料

定期付終身保険の保険料は、特約部分の更新毎に上がっていきます。上記設計例の場合の保険料の推移についてみてみましょう。

保険料の推移

年齢 月額保険料 保険料の上昇率
30歳〜 16,197円
40歳〜 23,265円 144%
50歳〜 41,726円 179%
60歳〜(65歳になるまで) 71,847円 172%

※特約の更新時にはそのまま自動更新するものとしています。また上記金額は、モデルケースとして算出した参考値であり、特定の保険商品のものではありません。

定期付終身保険の払込保険料と解約返戻金

定期付終身保険を途中で解約した場合、解約返戻金があります。上記設計例で途中で解約した場合の払込保険料額と解約返戻金の推移をみてみましょう。

払込保険料総額と解約返戻金の推移

解約年齢 解約時点の払込保険料総額 解約返戻金 返戻率
31歳 194,364円 0円 0%
35歳 971,820円 216,000円 22%
40歳 1,943,640円 525,000円 27%
45歳 3,339,540円 822,000円 25%
50歳 4,735,440円 1,143,000円 24%
55歳 7,239,000円 1,485,000円 21%
60歳 9,742,560円 1,851,000円 19%
65歳 14,053,380円 2,247,000円 16%

※特約の更新時にはそのまま自動更新するものとしています。また上記金額は、モデルケースとして算出した参考値であり、特定の保険商品のものではありません。

この設計例の場合、65歳で解約したとすると支払った保険料の84%が掛け捨てられることになります。

65歳で解約した場合に掛け捨てることになる金額は、なんと1,180万円にもなります。

定期付終身保険の問題点

この定期付終身保険は、マスコミの報道のような問題点もあり、確かに賛否両論ある保険商品です。

しかし大前提として、商品自体に問題があるという批判はまったく当たらないと思います!

生命保険や医療保険は、商品そのものに「良い」「悪い」はありません。なぜなら商品ごとにメリットとデメリットがあり、保険はメリット部分が自分のニーズにあっていてデメリット部分が許容範囲におさまる商品を選ぶべきものだからです。また商品の選択とともに、自分にあった保険設計にするという部分がとても重要だからです。個々の商品は、あくまでも必要な保障を実現するためのパーツに過ぎないのです。

問題は販売体制?

定期付終身保険自体には問題がないとすると、多くの批判があがった原因はどこにあるのでしょうか?問題はその販売体制に関係していると思われます。

老舗生命保険会社の営業担当(いわゆるセールスレディ)は、厳しいノルマ等もあって定着率が悪いといわれています。そのことは、古くは保険審議会答申でも指摘され、以来、長年に渡って保険業界の課題となっています。

まずは、この問題について、公表されているデータを基に現状を客観的に確認したいと思います。

公益財団法人生命保険文化センターが以前公表していた「生命保険ファクトブック注1」によると、平成13年度末の登録営業職員数注2は298,163人で、そのうちの約41%にあたる122,432人が平成13年度に新規登録された営業職員となっています。同様に平成14年度末の登録営業職員数は284,047人で、そのうち約42%の119,452人がその年に新規登録された営業職員でした。

  • 注1)「生命保険ファクトブック」は2003年版(平成14年版)をもって発行が終了しています。
  • 注2)生命保険の募集は、保険業法の規定により登録をした生命保険募集人に限り行うことができるとされています。

つまり、登録営業職員のうちの約4割は新規登録された営業職員という状態だったのです。

さらに生命保険会社のディスクロージャー資料(保険業法第111条に基づく開示資料)をみてみましょう。

大手4社のディスクロージャー資料によると、「営業職員女子(いわゆるセールスレディ)の在籍数」に対する「1年以内に採用した営業職員女子の数」の比率は、平成18年度で30〜35%となっています。その後この比率は多少減少傾向にあるようですが、それでも、平成22年度時点における同比率は20%前後となっています。

※ここでは個別の保険会社の数値は掲載しませんが、各社のWebサイト等でディスクロージャー資料をご覧いただくと正確な数字が掲載されています。

上記ディスクロージャー資料によれば、1社あたり1年間に4千数百人ないし1万数千人もの大量の営業職員女子が新規に採用されていますが、その分、営業職員の在籍数が大幅に増えているかというとそうでもなく、営業職員の在籍数が減少している保険会社さえあります。

つまり、最近でも営業職員女子の大量採用と大量離職が行われていると推測されるのです。

このように、営業職員の定着率は決して高いとは言えない状態なのです。生命保険という、社会保障・税金・ライフプラン等、相応の専門知識と経験が必要とされ、支払総額が一般に1,000万円を超えるような高額商品を取り扱うには経験が十分ではなく、不安を抱かざるを得ない営業職員が数多くいて、そんな営業職員が私たちの担当になる可能性が低くはないことを十分認識しておく必要があるかもしれません。

生命保険を正しく販売できる営業職員の不足により、「正確な説明を受けて保険商品のメリット・デメリットを理解して加入した人が少ない」というのが実態で、最大の問題点です!

正しい生命保険を選ぶヒント

生命保険でいえば、まず大きな事実として、20〜65歳までの現役時代に死亡する確率は約10%と決して高くありません。しかし、守るべき家族がいるこの年代の世帯主が死亡すると、残された家族は、その後の生活費・学費に困ることになります。

この、死亡率は低いが死亡時の遺族の困り度合いが大きい期間のリスクをカバーするのが生命保険の役割です。

ポイント

現役時代のリスクをいかに効率よく保険でカバーするかが、「安く!」て、しかも「役に立つ!」保険設計を実現する重要なポイントです。

現役世代の世帯主の方に必要な死亡保障は、どうしても金額が大きくなります。しかし、その大きな保障額はずっと続くわけではありません。その点から考えると、掛け捨ての定期保険が適しているということになります。また、必要な保障額は、年月が経つにつれて少しずつ減っていくという特徴もあります。以上の2点を踏まえて保険を選び、設計するとよいでしょう。

現在、間違った設計による保険に加入しているという方は、これを機会にぜひ見直してみてください。

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